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利器がおすすめする現場の悩みを解決するための刃物における表面処理・コーティング

刃物のコーティングは「錆」「切れ味」「付着防止」対策がポイント

工業用刃物を使う現場では、「錆びる」「切れ味が落ちる」「切った後に付着する」といった悩みがつきものです。
刃物の表面処理・コーティングを適切に選ぶことで、こうした課題を大幅に改善できます。
ここでは、目的別に最適なコーティングを紹介しつつ、性能とコストのバランス、導入時の注意点をまとめました。

悩み別に選ぶおすすめコーティング

悩み・課題 おすすめコーティング 特長とポイント
錆を防ぎたい CrN(クロムナイトライド) 耐食性が高く、酸や塩分環境でも錆びにくい。食品用途にも適する。
フッ素樹脂(テフロン系) 表面が撥水・撥油性で水分を弾き、汚れや錆の発生を抑制。特に食品加工に強い。
切れ味を長持ちさせたい TiCN 高硬度で耐摩耗性◎。刃先寿命を大幅に向上。量産ラインでのコストパフォーマンスも良い。
DLC(ダイヤモンドライクカーボン) 超高硬度・超低摩擦で耐摩耗性を最大化。切れ味が長く続き、研磨頻度を減らせる。
付着を防止したい フッ素樹脂(テフロン系) 超低摩擦で食材やフィルムの張り付き防止、清掃性向上。粘着物の離型性◎。
DLC 低摩擦で粘着材やフィルム離型性も良く、汚れがつきにくく作業性改善。

コストと性能バランスの比較表

コーティング コスト 耐摩耗性 耐食性 離型性・付着防止
TiN ◎ 安価
CrN ○ 中程度
TiCN ○ 中程度
DLC △ 高価
フッ素樹脂(テフロン系) ○〜△

コーティング選定時の注意点

  • コーティング被膜は数μm〜十数μm厚くなるため、刃先のシャープさがわずかに減少する。
  • 高硬度コーティング(TiCN、DLC)は特に刃先設計を考慮し、仕上げ形状を調整してから施す必要がある。
  • フッ素加工は比較的厚膜(数μm〜十数μm)で、刃先形状や初期刃角の設計が重要。

母材との相性

  • ステンレス鋼:CrN、フッ素加工で耐食・付着防止。
  • 高速度鋼、合金工具鋼:TiCN、DLCで耐摩耗強化が可能。
  • アルミや熱処理に弱い鋼材でもフッ素加工は低温処理対応可能。

弊社の対応と特長

弊社は80年以上にわたり、年間2000種類以上、累計1万個以上の刃物を製造してきた実績があります。
そのノウハウを活かし、お客様の使用環境や材料、目的に合わせた最適なコーティングを提案可能です。
また、±10μm単位の精密加工や小ロット対応も得意としています。
図面がない場合でも、現物からの再現製作・再研磨にも対応します。

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お客様の「錆びない」「長持ちする」「くっつかない」刃物作りをサポートします。
コーティングのご相談・お見積もりはぜひ株式会社利器までお気軽にお問い合わせください。

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